Story
ヨーロッパ中世の封建的社会にあって、女性は結婚するか修道女になるほか生きていく術はありませんでした。そこで12世紀のベルギーで、女性の自立支援のために女性だけで組織された共同体がベギン会でした。彼女たちは修道女としてではなく俗世と接しながら、半聖半俗の共同生活を送る新しい生き方を実践していました。現在、ベルギー西部のフランドル地方にディースト、ルーヴェン、リール、ブルージュなど13の修道院が点在し、世界遺産に登録されています。
なかでも1245年にフランドル伯爵夫人により創設された、ブルージュのベギン会修道院は豊かな自然の中にあり、森の木立に白壁が映え最も美しいといわれます。街から運河に架かる橋を渡り門をくぐると賑やかさから一転、静寂が支配し神聖な空気に包まれます。ベギン会修道院の一日はミサに始まり、その後レース編みなどをしたり、街に出て家事労働や家庭教師などをすることも許され、夜は再び修道院での共同生活に戻りました。自立して生きていくために働いて収入を得ること、また退会して結婚する自由も認められ、女性が自分の意思で生き方を選択できた、当時としては唯一ともいえる存在でした。
しかし20世紀に入り、女性の社会進出とともにベギン会は衰退し、建物はベネディクト会の女性たちの祈りと生活の場となりました。現在は数名が受け継ぐだけとなったベギンの慎ましくも自由な生活は、自立をめざす女性たちに希望の光を与えたに違いありません。
なかでも1245年にフランドル伯爵夫人により創設された、ブルージュのベギン会修道院は豊かな自然の中にあり、森の木立に白壁が映え最も美しいといわれます。街から運河に架かる橋を渡り門をくぐると賑やかさから一転、静寂が支配し神聖な空気に包まれます。ベギン会修道院の一日はミサに始まり、その後レース編みなどをしたり、街に出て家事労働や家庭教師などをすることも許され、夜は再び修道院での共同生活に戻りました。自立して生きていくために働いて収入を得ること、また退会して結婚する自由も認められ、女性が自分の意思で生き方を選択できた、当時としては唯一ともいえる存在でした。
しかし20世紀に入り、女性の社会進出とともにベギン会は衰退し、建物はベネディクト会の女性たちの祈りと生活の場となりました。現在は数名が受け継ぐだけとなったベギンの慎ましくも自由な生活は、自立をめざす女性たちに希望の光を与えたに違いありません。