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兵馬俑/中国永遠に始皇帝を守る膨大な数の地下軍団

兵馬俑

Story

1974年、西安の東北、臨潼県の農民が井戸を掘っていて偶然見つけた陶器の破片。これが兵馬俑坑発見のきっかけでした。総面積約1万4260平方メートルの1号坑を皮切りに、2号坑、3号坑が次々に発掘され「20世紀最大の発見」と世界を驚かせました。3つの俑坑の規模は2万平方メートルを超え、総計8,000点にのぼるとみられる陶製の兵馬が、死後の秦始皇帝を守るため地下に配置されていたことがわかったのです。

兵馬俑坑の西約1.5キロメートルには秦始皇帝陵があります。約2200年前、中国統一を果たした秦始皇帝は、その絶大な権力を永遠のものにするため、すぐに陵墓の造営に着手。70万人もの囚人を動員し、36年もの歳月をかけて完成した陵墓は、『史記』によると地下宮殿のようであったと記されています。長らく伝説と考えられていたこの記述も、近年の調査で痕跡が確認され、秦始皇帝陵の発掘が待たれています。

俑とは古代中国で、殉死者の代わりに埋葬した人形(ひとがた)のこと。敵国のある東を向き、整然と隊列を組んで並ぶ兵士俑はほぼ等身大。表情、髪形、衣服のどれひとつとして同じ形のものはなく、始皇帝の軍団が広範な民族の混成部隊であったことを窺わせます。当初は鮮やかに彩色されていた俑。酸化による退色を防ぐため発掘は注意深く行われ、全貌はいまだ歴史の彼方に埋もれたままです。

Photos

兵馬俑

等身大で作られた兵士俑の身長は180cm前後、重量は300kg以上

秦始皇帝

世界最大ともいわれている地下陵墓に眠る秦始皇帝

Data

登録名
秦の始皇陵
登録年
1987年
分類
文化遺産
国名
中国
アクセス
秦始皇帝陵と兵馬俑坑博物館へは西安の中心から車で約1時間。兵馬俑坑博物館へはバスでも行ける。西安駅前から乗車し約1時間、兵馬俑駅下車徒歩約5分