九寨溝／中国中国最後の秘境 神秘の九寨溝

絶句してしまうほどの美景が広がる仙境、九寨溝。鬱蒼とした原生林の中に大小100以上の湖沼をはじめ、渓流、瀑布が50kmにもわたって連なる、まさに別天地です。

渓谷（溝）にチベット族の暮す村（寨）が９つあることから、この名が付いたと言われる九寨溝。チベット族の間には、昔、山の女神が天界から落とした鏡が 108つに砕け散って湖になったという伝説が残されています。伝説に彩られた湖面は、雪を頂き白く輝く峰や色鮮やかな樹林、澄み渡る青空など周囲の風景を鏡のように映し出し、まるで一枚の絵画のよう。紺、碧、藍、蒼……。「青」だけでは表現しきれない湖水の色彩美と相まって、息を呑むほどの美しい景観をつくり出しています。

そんな九寨溝ならではの、今まで見たこともないガラスのような透明感と鮮やかな色彩美。これは石灰岩の地層に含まれる炭酸カルシウムの働きによるもので、湖底から湧き出す地下水を浄化し、水中のチリをも湖底に沈めてしまうからなのです。湖面に近づけば、そこに棲む生物はもちろん、湖底に横たわる樹木の細部までくっきりと見ることができるはずです。

澄んだ水は、湖沼から渓流や瀑布に流れ出します。エメラルドグリーンの水が樹木の間を縫って流れる渓流は圧巻。落差の大きい瀑布は煙のようにしぶきをあげ、虹が現われることもしばしば。幻想的な光景を目の当たりにする感動を味わえます。