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オルホン渓谷文化的景観/モンゴル広大な草原に点在する 遊牧民2000年の文化遺産

オルホン渓谷文化的景観

Story

モンゴル中央部を流れるオルホン川の両岸には、豊かな水と肥沃な土地に恵まれた渓谷が広がり、先史時代からモンゴル帝国の時代まで、様々な遊牧民がこの地を拠り所としてきました。オルホン渓谷には、2000年以上にわたり培われてきた遊牧民の歴史の証として数多くの遺跡が点在し、2004年に一帯が世界遺産に登録されました。

オルホン渓谷に最初の重要なモニュメントを遺したのは、6~7世紀にモンゴル高原から中央アジアまでを支配したテュルク系の突厥(トッケツ)です。渓谷に建つ石碑には、遊牧系最古の文字とされる突厥文字が刻まれています。またハルバルガス遺跡は、突厥に代わって8~9世紀に興ったウイグル帝国の王宮跡といわれます。なかでもとりわけ有名な遺跡は、13~14世紀に大帝国を築いたモンゴル帝国の都カラコルムでしょう。カラコルムを建設した第2代皇帝オゴタイハンの宮殿跡付近には、亀趺(きふ)と呼ばれる台石が見られます。これは亀に似た霊獣を花崗岩で刻んだもので、永遠の繁栄を願って造られたと一説にあります。亀趺の背後に建つエルデニ・ゾー寺院は、モンゴル初の仏教寺院です。帝国時代の建造物を再利用して16世紀に建立され、広野に並ぶ108の白い仏塔が無常観を漂わせています。

遺跡群が大草原地帯で次々に発掘され、遊牧の民が悠久の時をかけ紡いできた伝統を目の当たりにできる、オルホン渓谷。草原のかなたに、馬を巧みに操り疾駆する勇士の姿が見えるかもしれません。

Photos

カラコルム遺跡

大帝国を築いたモンゴル帝国の面影を垣間見れるカラコルム遺跡

エルデニ・ゾー寺院

いまも篤い信仰をあつめているエルデニ・ゾー寺院の仏舎利

Data

登録名
オルホン渓谷文化的景観
登録年
2004年
分類
文化遺産
国名
モンゴル
アクセス
首都ウランバートルから南西に約400km、車で約6時間