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原爆ドーム/日本核廃絶と恒久平和を希求する誓いのシンボル

原爆ドーム

Story

世界遺産の中には“負の遺産”と呼ばれるものがあります。条文に定められているわけではありませんが、人類が犯した過ちを示す歴史的証拠もまた、人々の記憶に留めておくべきとの考えから選ばれたものです。代表的な所ではポーランドの「アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所」が挙げられます。そして、わが日本にも、人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を伝える「原爆ドーム」があります。

チェコの建築家ヤン・レツルによって設計され、1915年に広島県物産陳列館として誕生。煉瓦と鉄筋コンクリートからなる地上3階・地下1階、銅板葺のドームをのせた、5階建ての階段室がひときわ目を引く、モダンな建物でした。川べりに立つこの美しい洋館が一瞬にして吹き飛ばされたのは、1945年8月6日午前8時15分。爆心地は建物から南東わずか約160mという至近距離でした。原爆炸裂の衝撃波をほぼ垂直に受けたため、かろうじて全壊を免れましたが、中にいた人々は全員が命を落としました。

「戦争を思い出すので撤去すべき」という意見もあり、「原爆ドーム」保存は議論の分かれるところでしたが、戦争の悲惨さ、原爆の恐ろしさを後世に訴える唯一のものであるとして、1966年広島市議会は永久保存を決議。1995年に国の史跡に指定され、翌年世界文化遺産への登録が決まりました。一帯は平和記念公園となり、原爆死没者慰霊碑には平和を祈念する灯が今も燃え続け、平和記念資料館、原爆の子の像などとともに、恒久平和のメッセージを全世界に発信しています。

Photos

原爆死没者慰霊碑

毎年8月6日に行う平和記念式典の会場になる原爆死没者慰霊碑

広島平和記念資料館

広島平和記念資料館には、悲劇を物語る資料が約1,500点も展示

Data

登録名
原爆ドーム
登録年
1996年
分類
文化遺産
国名
日本
住所
広島県広島市中区大手町1−10
アクセス
JR広島駅からバスで約20分
ベストシーズン
通年