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カルタゴ遺跡/チュニジア地中海の覇権を握り消えた大国の栄華の跡

カルタゴ遺跡

Story

時は紀元前3世紀、名将と謳われたカルタゴのハンニバル将軍は象部隊を率い、ピレネー、アルプスを越えイタリアに進軍。強大なローマ軍を大いに苦しめました。イタリア半島を統一し勢力を拡大するローマ帝国と対峙したのは、地中海の交易で覇権を握ったカルタゴ。その拠点は現在のチュニジアの首都チュニス近郊にありました。

カルタゴの起こりは紀元前9世紀、海洋民族のフェニキア人が植民都市を建設したことに始まります。強力な海軍力を後ろ盾に地中海の交易を独占したカルタゴは、その権益をめぐり大国ローマと三度のポエニ戦争を戦うことに。ハンニバル将軍の活躍もあり一時はローマ軍を追い詰めるも、最後は敗れカルタゴの町は徹底的に破壊されました。廃墟に塩までまかれ草木も生えぬといわれたカルタゴですが、その100年後、カエサル、アウグストゥスの時代になって再建され、フェニキア人の時代にもまして繁栄。アントニウスの共同浴場、円形闘技場、ローマ劇場などに往時を偲ぶことができます。

古代カルタゴの痕跡は、フェニキア人の最高神を祀ったトフェの墓地や住居跡のポエニ街などにわずかに見られるものの、ローマの都市計画で造り変えられたため、遺跡はほとんどがローマ時代のもの。地中海に臨み軍港と商業港が並ぶ古代カルタゴの港も、今は湖のように静かに佇み、北アフリカ沿岸からイベリア半島までを勢力下に置いた隆盛も、ハンニバルのアルプス越えも遥か彼方の出来事です。

Photos

トフェ

トフェには、現存する数少ないカルタゴ独自の遺跡があります。火の神と豊穣の神を祀る神聖な場所でした。

ビュルサの丘

古代カルタゴの城塞が築かれていたビュルサの丘は、カルタゴの陥落と共に無残に破壊され、現在は博物館と大聖堂が建っています。

Data

登録名
カルタゴ遺跡
登録年
1979年
分類
文化遺産
国名
チュニジア
住所
88 La Goulette Rd, Carthage, チュニジア
アクセス
チュニス・カルタゴ国際空港から車で約20~30分
ベストシーズン
10月・11月、2月・3月頃