Story
タンザニア北東部のキリマンジャロ国立公園内に聳えるキリマンジャロは、75万年前の火山活動によって誕生した標高約5,895mを誇るアフリカ大陸の最高峰。キリマンジャロとはスワヒリ語で「輝く山」。赤道からわずか300kmの地にありながら、山頂に口を開ける直径約2.2kmのカルデラに氷河と万年雪を抱き、アフリカゾウやバッファローがのんびり草をはむ麓のサバンナとの対照的な姿は神秘的でさえあります。
氷河や万年雪の豊富な雪解け水によってキリマンジャロには多様な植物が繁茂し、高度にしたがって変化します。低地ではキリマンジャロホウセンカが可憐な花を咲かせ、標高3,000m付近までは山岳熱帯雨林が広がり、クスノキなどの高木が見られます。3,000m以上はヒースと呼ばれる低木帯となり、5mにも及ぶジャイアント・セネシオ、ジャイアント・ロベリアなどの不思議な植物も。そして4,000m付近は寒さに強いコケ類が生息するなど、見事に垂直分布する植物相は、生物学者の高度別植物相の分類の指標にもなっています。
しかしユネスコの調査によると、1万年間保たれてきた頂上の氷河が、温暖化が原因とされる気候変動により、この100年で8割が消失。15年後には消えてなくなるとの報告もされています。それは多様な植物相の消失をも意味し、タンザニア政府も一帯を国立公園として、サバンナと氷河が相対する貴重な生態系の保護に努めています。
氷河や万年雪の豊富な雪解け水によってキリマンジャロには多様な植物が繁茂し、高度にしたがって変化します。低地ではキリマンジャロホウセンカが可憐な花を咲かせ、標高3,000m付近までは山岳熱帯雨林が広がり、クスノキなどの高木が見られます。3,000m以上はヒースと呼ばれる低木帯となり、5mにも及ぶジャイアント・セネシオ、ジャイアント・ロベリアなどの不思議な植物も。そして4,000m付近は寒さに強いコケ類が生息するなど、見事に垂直分布する植物相は、生物学者の高度別植物相の分類の指標にもなっています。
しかしユネスコの調査によると、1万年間保たれてきた頂上の氷河が、温暖化が原因とされる気候変動により、この100年で8割が消失。15年後には消えてなくなるとの報告もされています。それは多様な植物相の消失をも意味し、タンザニア政府も一帯を国立公園として、サバンナと氷河が相対する貴重な生態系の保護に努めています。