Story
1978年に世界遺産に登録されたシミエン国立公園は、エチオピア北部のゴンダール州にあり、同国最高峰のラス・ダシェン山(標高4,620m)を中心とする国立公園。およそ2,500万年前の地殻変動と火山活動、その後の降雨の浸食により形成された高山、深い渓谷、1,000mもの断崖絶壁が連なるそこは、昼と夜の寒暖差が夏と冬ほどもある過酷な山岳地帯です。その厳しい自然環境に適応し、独自に進化を遂げた、霊長類のゲラダヒヒ、高地ヤギのワリアアイベックス、イヌ科のシミエンフォックスなど、多くの固有種が生息しています。
なかでもゲラダヒヒは公園内の随所で見られ、体長は約50~74cm。ほかのヒヒとの生存競争に敗れ高地に移ってきたとみられ、身を守るため夜間は数百頭の群れを作って崖の窪みなどで眠ります。彼らは30種類ほどの言葉をもつといわれており、ヒトの音声に非常に似た鳴き声や、表情などを使ってコミュニケーションを図ります。平和を好む彼らは、争いごとも話し合いで解決するのです。ヒトに近い高度に進化を遂げた霊長類といえるでしょう。
この地域では2000年前から農耕が行われており、人口増加に伴う農地開拓、密猟などによって生態系が破壊され、1996年にシミエン国立公園は危機遺産に登録されました。事態を憂慮したゴンダール州政府は、農地の縮小や移住などの対策で自然環境を回復させ、危機遺産からの除外を目指しています。かけがえのない自然が守られ、希少な動物たちが生き続けられることを願わずにはいられません。
なかでもゲラダヒヒは公園内の随所で見られ、体長は約50~74cm。ほかのヒヒとの生存競争に敗れ高地に移ってきたとみられ、身を守るため夜間は数百頭の群れを作って崖の窪みなどで眠ります。彼らは30種類ほどの言葉をもつといわれており、ヒトの音声に非常に似た鳴き声や、表情などを使ってコミュニケーションを図ります。平和を好む彼らは、争いごとも話し合いで解決するのです。ヒトに近い高度に進化を遂げた霊長類といえるでしょう。
この地域では2000年前から農耕が行われており、人口増加に伴う農地開拓、密猟などによって生態系が破壊され、1996年にシミエン国立公園は危機遺産に登録されました。事態を憂慮したゴンダール州政府は、農地の縮小や移住などの対策で自然環境を回復させ、危機遺産からの除外を目指しています。かけがえのない自然が守られ、希少な動物たちが生き続けられることを願わずにはいられません。