Story
メサベルデ国立公園はコロラド州南西部に位置し、アメリカで唯一先住民の遺跡が国立公園に指定されています。標高約2,600mの断崖にアナサジ族(古代プエブロ人)の大規模な住居跡が残され、人類の稀少な歴史の証として1978年、文化遺産にも登録されました。
アナサジ族は7〜18世紀、アメリカ南西部の広い地域に住み、トウモロコシなどを栽培していた農耕民族。元々は崖の上で暮らしていましたが、12世紀末に断崖の壁面をくり抜き日干しレンガの住居を建て、約100年間にわたり生活を続けます。メサベルデとはスペイン語で「緑のテーブル状の台地」の意味。緑(ベルデ)に覆われたメサ(台地)の下に住居があるとは思えず、 崖下へ移動したのは外敵から身を守るためとも考えられています。180以上の断崖住居が発見されており、なかでもクリフパレス(断崖宮殿)は4階建てで、200以上の部屋を有する最大の集合住宅。当時の高度な建築技術をうかがわせ、遺跡で広範に見られる儀式に使われたと推測されるキヴァ(円形の地下礼拝堂)も23を数えます。
最盛期には数千人が住んでいたともいわれますが、13世紀末には忽然と姿を消し、1888年に牧場主に発見されるまで廃墟となっていました。なぜ彼らは断崖の生活を選び、突然放棄し、そしてどこへ去ったのか。確かな史料はないだけに、その隠された生活はミステリアス。いまだ解明されない謎も多く、訪れる者を探検家の気分にさせます。
アナサジ族は7〜18世紀、アメリカ南西部の広い地域に住み、トウモロコシなどを栽培していた農耕民族。元々は崖の上で暮らしていましたが、12世紀末に断崖の壁面をくり抜き日干しレンガの住居を建て、約100年間にわたり生活を続けます。メサベルデとはスペイン語で「緑のテーブル状の台地」の意味。緑(ベルデ)に覆われたメサ(台地)の下に住居があるとは思えず、 崖下へ移動したのは外敵から身を守るためとも考えられています。180以上の断崖住居が発見されており、なかでもクリフパレス(断崖宮殿)は4階建てで、200以上の部屋を有する最大の集合住宅。当時の高度な建築技術をうかがわせ、遺跡で広範に見られる儀式に使われたと推測されるキヴァ(円形の地下礼拝堂)も23を数えます。
最盛期には数千人が住んでいたともいわれますが、13世紀末には忽然と姿を消し、1888年に牧場主に発見されるまで廃墟となっていました。なぜ彼らは断崖の生活を選び、突然放棄し、そしてどこへ去ったのか。確かな史料はないだけに、その隠された生活はミステリアス。いまだ解明されない謎も多く、訪れる者を探検家の気分にさせます。