ヨセミテ／アメリカ手つかずのまま残る原子からの大自然

カリフォルニア州の東端に連なるシエラネバダ山脈。その中央部に広がるヨセミテ国立公園は広さ約3,000平方キロメートル。東京都の約1.5倍の面積を有し、公園全体の約89パーセントが人の手が加わっていない原生景観です。また、カリフォルニア州に生息する植物約7,000種類の20％以上、約100種類の哺乳類、200種類以上の鳥類が豊かな生態系を形成。それが、ヨセミテ国立公園が世界遺産に登録されたゆえんです。

公園南側ゲートのワウォナに近いマリポサ・グローヴには、高さ100mものセコイアの巨樹が林立。中央部には氷河が削った全長約11km、深さ約1,000ｍのU字谷、ヨセミテ・バレーが開け、公園を東西に横断するタイオガ道路沿いには氷河や氷河湖が点在。夏には高山植物のお花畑が出現します。さらに公園東部トゥオルム・メドゥズの広大な草原地帯など、ヨセミテは実に多彩な表情を見せてくれます。

氷河によって削り取られた半円形の岩山ハーフドーム、北米最大の落差を誇るヨセミテ滝、高さ1,000mを超える花崗岩の一枚岩エル・キャピタンなどの特異な自然景観が密集し、トンネルビューやグレイシャー・ポイントからの雄大な眺望が観光客に人気のヨセミテ・バレーも、その広さは公園全体の1％にも満たない18平方キロメートル。ヨセミテのほんの一部を垣間見ているに過ぎず、その奥の深さに圧倒されます。