Story
「耕して天に至る」。棚田の風景を形容するのによく使われる表現ですが、フィリピン・ルソン島北部の中央山岳地帯に築かれた棚田群はまさにそれ。バナウエ周辺のコルディリェーラ山脈の急斜面に沿って、「天国への階段」とも呼ばれる壮大な景観が広がります。
コルディリェーラの棚田群は、総面積2万ヘクタールと世界最大規模。棚田のあぜをつなぎ合わせると2万㎞、地球を半周するほどの長さになるといわれています。この地に生きる山岳民族のイフガオ族が、標高1,000mを越える高峰の山腹をほとんど人力だけで耕し、米を作り、昔ながらの生活を2000年以上にわたって守り続けてきました。人間の営みと自然の調和から生まれ、今に受け継がれてきた棚田の景観はかけがえのないもので、1995年世界遺産に登録されました。とりわけ青々と育つ稲や黄金色の稲穂に覆われる棚田群は壮観です。
この山岳地帯の村にも近代化の波は否応なしに押し寄せ、生活の変化や後継者不足による耕作放棄などから棚田が荒廃、景観の維持管理が行き届かなくなり、2001年には危機遺産リストに登録される事態に。そこで「棚田を守ろう」と立ち上がったのが、日本を含む国内外の支援団体。伝統的な農法による棚田の保全、技術や知識の伝承が図られ、2012年にリストから解除されて危機を乗り越えました。棚田の景観とともに、手作業による田植えや稲刈りなど、昔ながらの農作業風景が次代へ継承されることを願いたいものです。
コルディリェーラの棚田群は、総面積2万ヘクタールと世界最大規模。棚田のあぜをつなぎ合わせると2万㎞、地球を半周するほどの長さになるといわれています。この地に生きる山岳民族のイフガオ族が、標高1,000mを越える高峰の山腹をほとんど人力だけで耕し、米を作り、昔ながらの生活を2000年以上にわたって守り続けてきました。人間の営みと自然の調和から生まれ、今に受け継がれてきた棚田の景観はかけがえのないもので、1995年世界遺産に登録されました。とりわけ青々と育つ稲や黄金色の稲穂に覆われる棚田群は壮観です。
この山岳地帯の村にも近代化の波は否応なしに押し寄せ、生活の変化や後継者不足による耕作放棄などから棚田が荒廃、景観の維持管理が行き届かなくなり、2001年には危機遺産リストに登録される事態に。そこで「棚田を守ろう」と立ち上がったのが、日本を含む国内外の支援団体。伝統的な農法による棚田の保全、技術や知識の伝承が図られ、2012年にリストから解除されて危機を乗り越えました。棚田の景観とともに、手作業による田植えや稲刈りなど、昔ながらの農作業風景が次代へ継承されることを願いたいものです。