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コトルの自然と文化・歴史地区/モンテネグロベネチアがつくったアドリア海の城塞都市

コトルの自然と文化・歴史地区

Story

アドリア海を隔ててイタリアと向かい合うバルカン半島西部の国モンテネグロ。その海岸線が陸地に入り込み、複雑な入り江となったコトル湾の最奥部にある港町がコトルです。三方を険しい山々に囲まれた要害の地であり、天然の良港でもあったコトルには古来、多くの交易船が行き交い繁栄。往時の名残りが今も見られます。

コトルの歴史は古くローマ時代に遡り、ビザンチン帝国、セルビア王国などの強国の下で自治を保ち、あるいは支配を受け交易都市として栄え航海技術も発達。スラブ諸国で初めて航海士学校がつくられたのもコトルでした。15世紀にベネチア共和国がコトルを支配下に置くと、オスマン帝国の侵入を防ぐため、背後の山にまで続く総延長4.5kmにも及ぶ城壁を築き鉄壁の守りを固めました。小刻みに支配者が代わり、さまざまな文化の影響を受けてきたコトルは、キリスト教もカトリックと正教会の文化圏が重り、12世紀にロマネスク様式で建てられた聖トリフォン大聖堂、ロマネスク・ビザンチン様式の聖ルカ教会など、町には双方の教会が共存しています。

17世紀に建てられた大時計のある中央広場や石畳が敷かれた旧市街の散策を楽しんだら、裏山へと続く城壁を上ってみましょう。標高約260mの最高所に立つと、赤い甍を並べる家々と青く穏やかなコトル湾が眼下に広がります。強国の支配権争いに翻弄されながらも発展を続けてきたアドリア海の要衝コトル。その波乱の歴史を秘めて静かに佇む町は、いつまで眺めていても飽きることはありません。

Photos

聖トリフォン大聖堂

コトルを代表するカトリックの教会である聖トリフォン大聖堂

中央広場

中央広場には17世紀に建てられた大時計のある塔を見ることができます

Data

登録名
コトルの自然と文化・歴史地区
登録年
1979年
分類
文化遺産
国名
モンテネグロ
アクセス
ドブロヴニクからバスで約2時間