Story
四川省成都の西南に聳える峨眉山は古来、道教や仏教の聖地とされ、中国三大霊山や中国四大仏教名山に数えられてきました。その峨眉山から数十km離れた山紫水明の地、楽山の河岸には世界最大の磨崖仏である楽山大仏が鎮座し、ともに世界遺産の複合遺産に登録されています。
標高3099mの万仏頂を最高峰とする峨眉山は、「峨眉天下秀」と称えられてきた名山。後漢時代から寺院が建立され、南宋時代に最盛期を迎えました。今も山中には報国寺、万年寺など26の古刹が点在しています。古くから聖地であったため豊かな自然が手つかずのままに残され、3000余種の植物や絶滅危惧種を含む動物が数多く生息する自然の宝庫となっています。楽山大仏は長江の支流の岷江と青衣江、大渡河の合流地点の断崖に刻まれています。かつて楽山は大量に採れる塩で潤っていました。その恩恵を仏に感謝し、また塩を運ぶ大動脈であった川の氾濫や水難事故を防ぐために、民衆の浄財によって着工されました。713年に彫り始め、90年後の803年にようやく完成を見た楽山大仏は高さ71m。青々と茂る凌雲山を背に座し、その眼下には遥かな時の流れを思わせる岷江が広がります。
文化と自然の両面で価値が認められ、複合遺産として登録された峨眉山と楽山大仏。古くは仙人が住むともいわれた天下の秀峰の風光に心洗われ、千年以上の長きにわたり水運の安全と民衆の営みを見守り続ける巨大な石仏の懐に抱かれてみてはいかがでしょう。
標高3099mの万仏頂を最高峰とする峨眉山は、「峨眉天下秀」と称えられてきた名山。後漢時代から寺院が建立され、南宋時代に最盛期を迎えました。今も山中には報国寺、万年寺など26の古刹が点在しています。古くから聖地であったため豊かな自然が手つかずのままに残され、3000余種の植物や絶滅危惧種を含む動物が数多く生息する自然の宝庫となっています。楽山大仏は長江の支流の岷江と青衣江、大渡河の合流地点の断崖に刻まれています。かつて楽山は大量に採れる塩で潤っていました。その恩恵を仏に感謝し、また塩を運ぶ大動脈であった川の氾濫や水難事故を防ぐために、民衆の浄財によって着工されました。713年に彫り始め、90年後の803年にようやく完成を見た楽山大仏は高さ71m。青々と茂る凌雲山を背に座し、その眼下には遥かな時の流れを思わせる岷江が広がります。
文化と自然の両面で価値が認められ、複合遺産として登録された峨眉山と楽山大仏。古くは仙人が住むともいわれた天下の秀峰の風光に心洗われ、千年以上の長きにわたり水運の安全と民衆の営みを見守り続ける巨大な石仏の懐に抱かれてみてはいかがでしょう。