Story
中国福建省南部にある海辺のリゾート厦門(アモイ)からいくつもの山を越え、車に揺られること約4時間。のどかな田園風景の中に、円形、楕円形、方形とさまざまな形をした巨大な要塞のような建物群が見えてきます。これが、北方からの移民、客家(ハッカ)が一族で居住する「土楼」といわれる集合住宅です。土楼は単に雨露をしのぎ外敵を防御するだけでなく、共同体の結束を強める役割も担ってきました。
閉鎖的な外観とは裏腹に、中は意外にも開放感にあふれ、集合住宅というよりむしろ一つの村のよう。広い中庭には、井戸や祖先を祭る祖堂があり、家畜が放し飼いにされ、ぐるりと囲むように瓦屋根の木造家屋が2重3重と建っています。1階は台所、2階は食料貯蔵庫、3・4階が居住空間という構造が一般的で、部屋の配置や数は建設場所と同じく風水に基づいて決められたもの。観光地化されてはいますが、そこは実際に人々が暮らす現役の住まい。生活のぬくもりこそが、遺跡や博物館にはない土楼の魅力といってもいいでしょう。
土や石、わらなどの自然素材のみを使い、太陽エネルギーで固める版築工法で造られた土楼は、“地球にやさしい建物”であるとして世界も注目。耐震・耐火性に優れて堅牢なのは、築230年が経つ土楼の王様、二宜楼を見れば明らか。夏は涼しく、冬は暖かいので、住み心地はなかなか快適なのだとか。永定地区には宿泊が可能な土楼も多いので、束の間の客家生活を体験してみるのも面白いかもしれません。
閉鎖的な外観とは裏腹に、中は意外にも開放感にあふれ、集合住宅というよりむしろ一つの村のよう。広い中庭には、井戸や祖先を祭る祖堂があり、家畜が放し飼いにされ、ぐるりと囲むように瓦屋根の木造家屋が2重3重と建っています。1階は台所、2階は食料貯蔵庫、3・4階が居住空間という構造が一般的で、部屋の配置や数は建設場所と同じく風水に基づいて決められたもの。観光地化されてはいますが、そこは実際に人々が暮らす現役の住まい。生活のぬくもりこそが、遺跡や博物館にはない土楼の魅力といってもいいでしょう。
土や石、わらなどの自然素材のみを使い、太陽エネルギーで固める版築工法で造られた土楼は、“地球にやさしい建物”であるとして世界も注目。耐震・耐火性に優れて堅牢なのは、築230年が経つ土楼の王様、二宜楼を見れば明らか。夏は涼しく、冬は暖かいので、住み心地はなかなか快適なのだとか。永定地区には宿泊が可能な土楼も多いので、束の間の客家生活を体験してみるのも面白いかもしれません。