Story
石灰岩の独特の地形でよく耳にする「カルスト」という呼称。それはスロベニア南西部のクラス地方に由来し、1986年に世界遺産(自然遺産)に登録されたシュコツィアン洞窟群は、その世界で最も知られたカルスト地形の鍾乳洞。日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では名の通った自然遺産で、グランドキャニオン、ガラパゴス諸島、エベレストなどと並んで人気があります。
石灰岩で覆われ、カルスト地形が発達したここシュコツィアンでは、地表を流れるレカ河が巨大なドリーネ(すり鉢状のくぼ地)から地下に潜り込み、深さ200m以上、長さ6kmにもおよぶ地下川洞窟、地底湖、滝など雄大な景観を作り出し、さらに34kmにわたって大地の下を流れ下り、再び地上に出ると、そこは国境を越えたイタリアという桁外れのスケール。洞窟内には、「ルドルフ大聖堂」と呼ばれる石灰段丘、たけのこ状に伸びた石筍が連なる「大広間」、地質学的に最も古い「沈黙の洞窟」など、幾多の鍾乳石が織りなす地底世界が広がります。
シュコツィアン一帯では先史時代の遺跡も発掘され、その出土品から1万年以上前から人類がここを住みかとしていたと考えられ、3000年ほど前には地中海世界の重要な巡礼地のひとつでした。川が大地に飲み込まれる姿に神を見たのか。はたまた地底深くあいた孔を死後の世界への入口ととらえたのか。人知を超えた自然の造形の前には、現代人も畏敬の念をいだいてしまうことでしょう。
石灰岩で覆われ、カルスト地形が発達したここシュコツィアンでは、地表を流れるレカ河が巨大なドリーネ(すり鉢状のくぼ地)から地下に潜り込み、深さ200m以上、長さ6kmにもおよぶ地下川洞窟、地底湖、滝など雄大な景観を作り出し、さらに34kmにわたって大地の下を流れ下り、再び地上に出ると、そこは国境を越えたイタリアという桁外れのスケール。洞窟内には、「ルドルフ大聖堂」と呼ばれる石灰段丘、たけのこ状に伸びた石筍が連なる「大広間」、地質学的に最も古い「沈黙の洞窟」など、幾多の鍾乳石が織りなす地底世界が広がります。
シュコツィアン一帯では先史時代の遺跡も発掘され、その出土品から1万年以上前から人類がここを住みかとしていたと考えられ、3000年ほど前には地中海世界の重要な巡礼地のひとつでした。川が大地に飲み込まれる姿に神を見たのか。はたまた地底深くあいた孔を死後の世界への入口ととらえたのか。人知を超えた自然の造形の前には、現代人も畏敬の念をいだいてしまうことでしょう。