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ヴァルトブルク城/ドイツ中世ドイツの芸術文化とルターの偉業を伝える名城

ヴァルトブルク城

Story

音楽家バッハ生誕の地として知られるドイツ中部の古都アイゼナハ。その町を見下ろすように、テューリンゲンの森に抱かれて建つヴァルトブルク城は、1067年に城塞として創建され、その後増築が繰り返され、現在見られる巨大な城郭になりました。12世紀に後期ロマネスク様式で建てられた主要建築物は、優美さもさることながら、ドイツ文化史において重要な場となったことで名を馳せました。

この城は13世紀、宮廷歌人たちが恋愛叙事詩を競い合った歌合戦の舞台となりました。19世紀にワグナーが作曲したオペラ『タンホイザー』は、それを題材にしたものです。しかし、城にゆかりある最も著名な人物といえば、宗教改革者のマルティン・ルターでしょう。ルターは16世紀、罪の償いを免除される贖宥状(しょくゆうじょう)を教会が盛んに販売していることに異を唱え、「95カ条の提題」を公表します。これに対しローマ教皇はルターを破門。国外追放になったルターはヴァルトブルク城に身を隠し、城の一室に9カ月間こもり新約聖書のドイツ語訳を完成させました。聖職者や貴族にしか読めなかった聖書を、庶民にもわかる言葉に翻訳したのです。

ルターの訳した聖書は、その後のドイツ語の発展に大きく寄与したといわれます。ルターが聖書の翻訳に取り組んだ小部屋は今も保存され、当時の様子を窺うことができます。その部屋は実に簡素で、ルターの置かれた厳しい状況と、熱い思いが伝わってくるようです。

Photos

ヴァルトブルク城「エリザベートの間」

隅々まで装飾が施された「エリザベートの間」。中世の貴族たちの優雅な生活が伺える

ヴァルトブルク城

城から外を覗けば、ドイツ山間の美しい風景が広がる

Data

登録名
ヴァルトブルク城
登録年
1999年
分類
文化遺産
国名
ドイツ
住所
Auf d. Wartburg 1, 99817 Eisenach, ドイツ
アクセス
フランクフルトからICE(特急列車)で約1時間40分
ベストシーズン
通年