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パトモス島のコーラ歴史地区/ギリシャヨハネが神の啓示を受け『黙示録』を書いた島

パトモス島のコーラ歴史地区

Story

ギリシャのパトモス島は、エーゲ海南東部に浮かぶ小さな島ですが、キリスト教徒の篤い信仰を集めています。それはイエスの十二使徒のひとり、聖ヨハネが『黙示録』を書いたとされる島だからです。

ローマ帝国の流刑の島であったパトモス島に西暦95年、ドミティアヌス帝により追放された聖ヨハネが流されてきました。島の洞窟に身を置いたヨハネは、あるとき神の啓示を受け、弟子とともに『黙示録』を著したといわれます。『黙示録』は聖書の最後の書であり、新約聖書の4つの福音書(イエスの言行録)の次に位置し、世界の終末と最後の審判、キリストの再臨など、預言的な内容が書かれています。このヨハネが身を置いた洞窟の天井には、黙示録で書かれている神の声によって裂けたと伝わる三位一体を示す3つの裂け目もあり、神聖な空気が流れています。堅固な城壁に囲まれ丘の上に建つ聖ヨハネ修道院は、11世紀に修道僧クリストドゥロスが建造したもの。中央教会、聖マリア礼拝堂などからなる修道院は、「エーゲ海のエルサレム」とも呼ばれる正教会の重要な巡礼地。周囲に広がるコーラの街は、純白の優美さとはうらはらに、修道院を外敵から守る要塞の役目を果たしてきました。

パトモス島は16世紀からオスマン帝国の領土となりますが、『黙示録』の洞窟や聖ヨハネ修道院、コーラの歴史的な街並みは守られ、1999年には世界遺産に登録されました。世界中からキリスト教徒が集まる聖なる島を訪れれば、神秘の声を感じとれるかもしれません。

Photos

パトモス島 礼拝堂

黙示録の洞窟の入り口は礼拝堂で、中では神の声が下った際に裂けたとされる岩の割れ目を見ることができます。

パトモス島 修道院

城壁に囲まれた修道院は、中央教会や貴重な文化財が現存する「エーゲ海のエルサレム」とも呼ばれる神聖な巡礼地。

Data

登録名
パトモス島の“神学者”聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟の歴史地区(コーラ)
登録年
1999年
分類
文化遺産
国名
ギリシャ
住所
Patmos Municipality 855 00 ギリシャ
アクセス
アテネのピレアス港から船でパトモス島まで約7時間
ベストシーズン
通年