Story
白いモルタルの壁に大きく取られたガラス窓…。1924年に建てられ、2000年に世界遺産に登録されたシュローダー邸は、面と線と単純な色彩で構成されたモダンな外観を見せ、オランダのユトレヒト郊外に佇んでいます。まるでデザイナーズ住宅を思わせる、白い箱のような小さな家は、現代人の目から見てもオシャレで、周囲に残る当時一般的だったレンガ造りの建物に比べると突出しています。
このシュローダー邸を設計したのは、1920年代初頭の前衛的な芸術運動デ・スタイルのメンバーで、『赤と青の椅子』などの作品で知られるヘリット・トーマス・リートフェルト。父親の代から家具職人でしたが、デ・スタイルの中心的人物だった抽象画家モンドリアンの感化を受け、シュローダー邸の設計で建築家としての才能をも開花させました。
ガイドツアーで見学できるシュローダー邸の内部は「からくり屋敷」とも呼ばれ、家具職人だったリートフェルトの技術と感性が活かされています。壁や柱を取り払った開放的な空間、可動式の間仕切り、隙間を利用した収納、採光用の天窓など、限られた空間を有効活用するための工夫が随所に施され、現代の建築の匠も顔負け。夫に先立たれたシュローダー夫人が、子供たちと暮らした「理想の家」も、当時は斬新さゆえに、周りの住人からは受け入れられなかったようですが、80年以上を経た今も、新鮮さを失っていません。
このシュローダー邸を設計したのは、1920年代初頭の前衛的な芸術運動デ・スタイルのメンバーで、『赤と青の椅子』などの作品で知られるヘリット・トーマス・リートフェルト。父親の代から家具職人でしたが、デ・スタイルの中心的人物だった抽象画家モンドリアンの感化を受け、シュローダー邸の設計で建築家としての才能をも開花させました。
ガイドツアーで見学できるシュローダー邸の内部は「からくり屋敷」とも呼ばれ、家具職人だったリートフェルトの技術と感性が活かされています。壁や柱を取り払った開放的な空間、可動式の間仕切り、隙間を利用した収納、採光用の天窓など、限られた空間を有効活用するための工夫が随所に施され、現代の建築の匠も顔負け。夫に先立たれたシュローダー夫人が、子供たちと暮らした「理想の家」も、当時は斬新さゆえに、周りの住人からは受け入れられなかったようですが、80年以上を経た今も、新鮮さを失っていません。