Story
「この中に私を裏切る者がいる」。「受難」の前夜、12人の弟子たちと別れの食卓を囲みこう予言するキリスト。驚き、動揺する弟子たち。聖書の有名な場面を描いた『最後の晩餐』は、ルネサンス期の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作です。1495年の着手から3年で完成し、作品のあるミラノのサンタマリア・デッレ・グラツィエ教会、ドミニコ会修道院とともに世界遺産に登録されています。
ダ・ヴィンチは絵画はもちろん、彫刻、建築、科学などさまざまな分野で活躍し、万能人と呼ばれました。『最後の晩餐』はドミニコ会修道院の食堂の壁に描かれています。ダ・ヴィンチは通常、壁画に用いるフレスコ画の技法ではなく、テンペラ画の技法で描いたことで写実的な人物描写を可能にし、一点透視図法を用いて平面を立体的な空間に仕立てました。天才といわれるゆえんです。しかし、テンペラ画は高温と湿気に弱く、完成直後から劣化が始まり、第二次大戦時には空爆で屋根が崩落するなど、受難を受け続けました。その間、描き直しや描き足しが行われ、オリジナルとはかけ離れてしまったため、1977年から汚れや加筆を取り除く地道な修復作業が続けられ、約20年をかけ1999年にダ・ヴィンチの名画が復活しました。
とはいえオリジナルが失われた箇所もあり、今も謎は残り人々を魅了し続ける『最後の晩餐』。本来の姿を取り戻した名画の前に立てば、絵にこめたダ・ヴィンチの真意が伝わってくるかもしれません。
ダ・ヴィンチは絵画はもちろん、彫刻、建築、科学などさまざまな分野で活躍し、万能人と呼ばれました。『最後の晩餐』はドミニコ会修道院の食堂の壁に描かれています。ダ・ヴィンチは通常、壁画に用いるフレスコ画の技法ではなく、テンペラ画の技法で描いたことで写実的な人物描写を可能にし、一点透視図法を用いて平面を立体的な空間に仕立てました。天才といわれるゆえんです。しかし、テンペラ画は高温と湿気に弱く、完成直後から劣化が始まり、第二次大戦時には空爆で屋根が崩落するなど、受難を受け続けました。その間、描き直しや描き足しが行われ、オリジナルとはかけ離れてしまったため、1977年から汚れや加筆を取り除く地道な修復作業が続けられ、約20年をかけ1999年にダ・ヴィンチの名画が復活しました。
とはいえオリジナルが失われた箇所もあり、今も謎は残り人々を魅了し続ける『最後の晩餐』。本来の姿を取り戻した名画の前に立てば、絵にこめたダ・ヴィンチの真意が伝わってくるかもしれません。