Story
韓国南部、伽倻山の山懐に抱かれた海印寺は古来、禅の修行道場として知られ、創建は新羅時代の802年。通度寺、松広寺とともに三宝寺院に数えられる古刹で、8万枚余の板に刻まれた仏教の経典『八萬大蔵経』を収蔵する蔵経板殿が世界遺産に登録されています。
大蔵経は仏教の経典を総集したもので、八萬大蔵経はモンゴルの侵攻にさらされていた高麗王朝が、国難克服を祈願して1236年に経板の製作に着手。1251年に高麗大蔵経の完成をみました。縦24.5cm、横68cmの経板が81,258枚あることから、一般に八萬大蔵経と呼ばれています。経板には腐食防止の漆が塗られ、朝鮮時代の伝統的な建築様式の蔵経板殿で、700年以上も保管されてきました。風通しの良い構造、板を張らずに木炭と石灰、塩、砂で固めた床。このような技術的な工夫が、板殿内の適度な換気と温度、湿度を一定に保ち、経板を往時のままの形で今に伝えたといわれます。八萬大蔵経は現存している木版の大蔵経の中では世界で最も古く、かつ完璧な仏教の経典とされ、刻字の美しさでも高い評価を得ています。
蔵経板殿は海印寺最古の建造物で、正面15間の大規模な板殿が南北に2つ、小規模な板殿が東西に2つ配置されています。板殿の中に入ることはできませんが、棚にぎっしりと納められた、その圧倒的な数の経板を格子の間から覗き見るだけでも、仏の力を借りてモンゴルの撃退を願った高麗の人々の思いは伝わってきます。
大蔵経は仏教の経典を総集したもので、八萬大蔵経はモンゴルの侵攻にさらされていた高麗王朝が、国難克服を祈願して1236年に経板の製作に着手。1251年に高麗大蔵経の完成をみました。縦24.5cm、横68cmの経板が81,258枚あることから、一般に八萬大蔵経と呼ばれています。経板には腐食防止の漆が塗られ、朝鮮時代の伝統的な建築様式の蔵経板殿で、700年以上も保管されてきました。風通しの良い構造、板を張らずに木炭と石灰、塩、砂で固めた床。このような技術的な工夫が、板殿内の適度な換気と温度、湿度を一定に保ち、経板を往時のままの形で今に伝えたといわれます。八萬大蔵経は現存している木版の大蔵経の中では世界で最も古く、かつ完璧な仏教の経典とされ、刻字の美しさでも高い評価を得ています。
蔵経板殿は海印寺最古の建造物で、正面15間の大規模な板殿が南北に2つ、小規模な板殿が東西に2つ配置されています。板殿の中に入ることはできませんが、棚にぎっしりと納められた、その圧倒的な数の経板を格子の間から覗き見るだけでも、仏の力を借りてモンゴルの撃退を願った高麗の人々の思いは伝わってきます。