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宗廟/韓国儒教文化を継承する 朝鮮王朝歴代王の霊廟

宗廟

Story

祖先から受け継ぐ伝統や礼節を重んじる、儒教精神が今も残る韓国。その儒教の聖地ともいえる文化遺産が、韓国のテレビドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のロケ地にもなった宗廟(チョンミョ)です。ソウルの中心部にありながら辺りは静寂に包まれ、整然と並ぶ朱塗りの柱に黒瓦の屋根をいただく簡素にして荘厳な建物に、朝鮮王朝(李氏朝鮮)歴代の王と王妃の位牌が祭られています。

1392年、朝鮮王朝を興した太祖李成桂が儒教を国教と定め、2年後に漢陽(現在のソウル)に遷都しました。宗廟が建てられたのはその翌年のことです。宗廟には正殿と別廟の永寧殿があり、正殿には李成桂以来の功績ある19人の王とその王妃が、永寧殿には正殿に祭られなかった王と王妃、その他王族が祭られています。位牌を収める小部屋が東西に連なる正殿は、国王らが亡くなり位牌が増えるたびに増築され、101mもの長大な建築になりました。儒教発祥の中国にもこれほど大きな宗廟はなく、単一の木造建造物では世界最長ともいわれます。

宗廟は独特の建築様式もさることながら、李氏朝鮮時代から脈々と続く韓国最大の伝統行事「宗廟祭礼」でも知られます。年に一度、5月の第1日曜日に朝鮮王族の末裔たちが集まり、歌舞と音楽で祖先の徳を称えるのです。儒教の伝統性にのっとり500年以上も続けられてきたこの儀式は、世界無形遺産にも選定されています。宗廟は中国や台湾にも残っていますが、王朝が滅びた後も宗廟が保存され、伝統の祭礼が継承されているのは韓国だけです。

Photos

宗廟祭礼楽

祭服に身を包んだ王族が、華やかな朝鮮王朝絵巻を再現

望廟楼

宗廟内で唯一華やかな装飾がなされた望廟楼は、王のための休憩所

Data

登録名
宗廟
登録年
1995年
分類
文化遺産
国名
韓国
アクセス
地下鉄1号線「鐘路3街駅」から徒歩約10分
ベストシーズン
通年