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エルサレム/イスラエル混沌の歴史を物語る世界三大宗教の聖地

エルサレム

Story

エルサレムは紀元前1,000年頃に建国された古代イスラエル王国の都。約1km四方の城壁で囲まれた旧市街には、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が同居し、世界の縮図を見る思いがします。

ユダヤ教徒が祈りを捧げるのは、かつてモーセの「契約の櫃」が納められていた神殿西側の壁で、「嘆きの壁」と呼ばれています。神殿は紀元70年にローマ軍によって破壊され、離散したユダヤ教徒は破壊をまぬがれた西壁の前で祖国喪失を嘆き、復興を祈ったのです。「嘆きの壁」の内側では、イスラム教徒の「岩のドーム」が金色の輝きを放っています。予言者ムハンマドがアラーの啓示を受け、天界へ旅立った「聖なる岩」を守るように建つ、最古のイスラム建築です。紀元30年頃、ユダヤ教と敵対したイエス・キリストが処刑され、復活したゴルゴタの丘にローマ皇帝コンスタンティヌスの命で「聖墳墓教会」が建てられたのは4世紀。イエスが十字架を背負って歩いたヴィア・ドロローサ(悲しみの道)をたどるキリスト教徒の巡礼者が今も絶えません。

根を同じくする三大宗教の聖地エルサレムを巡っては古来、宗教抗争が絶えず、今もイスラエルとパレスチナ自治政府が首都を主張するなど混沌としています。ヨルダンの申請により1981年に世界遺産に登録されたものの、紛争による破壊が憂慮され翌年には危機遺産に。唯一と信じて疑わない宗教、文化への相互理解は容易ではありませんが、それが「平和」への有効な手段ではないでしょうか。

Photos

聖墳墓教会

イエスが殉教したゴルゴダの丘の上に厳かに建つ聖墳墓教会

ユダヤ教徒

全身黒で統一されたスーツ姿の男性は、ユダヤ教徒の正装

Data

登録名
エルサレムの旧市街とその城壁
登録年
1981年
分類
文化遺産
国名
イスラエル
アクセス
イスラエルのベン・グリオン国際空港から約1時間