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パルミラ遺跡/シリア美しき皇妃が滅ぼした砂漠に咲いたバラの街

パルミラ遺跡

Story

シリアの首都ダマスカスから北東へ約230km。パルミラは広漠たる砂漠の中に建設されたオアシス都市。ナツメヤシの緑に包まれ、パルミラの名もギリシャ語でナツメヤシを意味する「パルマ」が起源といわれます。紀元前1世紀にローマ帝国の属州となり、中国とヨーロッパを結ぶ東西交易路の中継地として発展。2世紀にペトラ(ナバテア王国)が衰えると、通商権を受け継ぎ絶頂期を迎えます。

267年になると、総督オダエナトゥスが暗殺されます。これを機に妻のゼノビアは息子を皇帝に擁立、自ら皇妃と称しパルミラ王国を打ち立てます。ゼノビアはクレオパトラの末裔を名乗る美女で、政治にも長けていましたが、272年にアウレリアヌス帝の遠征により捕えられ、パルミラの街は陥落。シルクロードを行くキャラバンでにぎわい、商人たちを楽しませていた円形劇場も、浴場も廃墟となってしまいます。

パルミラの主神を祀るベル神殿や列柱道路などの都市遺跡は、1世紀から2世紀の建造。遺跡の西に広がる墓の谷では、さらに古い紀元前3世紀ごろからの塔墓や地下墳墓も発見されています。15世紀に築かれたアラブ城砦からは、世界で最も美しい廃墟のひとつといわれるパルミラが一望のもと。夕陽に染まる姿が美しく、商人たちが「バラの街」と称えたのも、このような夕景だったのでしょうか。

Photos

記念門

全長約1.3kmにもおよぶ列柱道路の入り口に聳え建つ記念門

アラブ城砦

パルミラ遺跡を見守るように、小高い山の上に佇むアラブ城砦

Data

登録名
パルミラ遺跡
登録年
1980年
分類
文化遺産
国名
シリア
アクセス
ダマスカスからバスで約3時間