Story
旧約聖書「創世記」のノアの方舟物語によると、神の御告げに従い大洪水を生き抜いたノア。その息子によって拓かれたと伝わる世界最古の都市の一つ、それがアラビア半島南部、標高2,300mの高原に広がるイエメンの首都サナアです。旧市街は高さ12mの城壁に囲まれ、「煉瓦の摩天楼」と呼ばれる往古の面影を今に伝えています。
64のミナレット(尖塔)がそびえ立ち、630年創建の大モスクをはじめ100以上のモスクが点在するサナアの旧市街には、その数6,500棟ともいわれる、日干し煉瓦を積み上げ窓枠に白い漆喰を施した独特の高層家屋が密集。なかには高さ50mに及ぶものもあり、数百年、古いものでは1000年以上も使い続けられてきました。古来、交易で栄えたサナアは抗争に巻き込まれやすく、外敵から護るためこのような居住になったのだとか。城壁に唯一残るイエメン門を入ると、そこはスーク(市場)。ジャンビーア(短剣)を腰に差した男性や、全身に黒装束をまとい顔をヒジャーブ(覆面)で覆った女性が行き交い、中世のアラブに迷い込んだ心地がします
古代ローマ人が「幸福のアラビア」と称えたイエメンも、今は危機にさらされています。長く続く紛争により、旧市街の一部が被害を受けるなどしたため、2015年に危機遺産に登録されました。美しい摩天楼都市が、このまま次代へ受け継がれることを願いたいものです。
64のミナレット(尖塔)がそびえ立ち、630年創建の大モスクをはじめ100以上のモスクが点在するサナアの旧市街には、その数6,500棟ともいわれる、日干し煉瓦を積み上げ窓枠に白い漆喰を施した独特の高層家屋が密集。なかには高さ50mに及ぶものもあり、数百年、古いものでは1000年以上も使い続けられてきました。古来、交易で栄えたサナアは抗争に巻き込まれやすく、外敵から護るためこのような居住になったのだとか。城壁に唯一残るイエメン門を入ると、そこはスーク(市場)。ジャンビーア(短剣)を腰に差した男性や、全身に黒装束をまとい顔をヒジャーブ(覆面)で覆った女性が行き交い、中世のアラブに迷い込んだ心地がします
古代ローマ人が「幸福のアラビア」と称えたイエメンも、今は危機にさらされています。長く続く紛争により、旧市街の一部が被害を受けるなどしたため、2015年に危機遺産に登録されました。美しい摩天楼都市が、このまま次代へ受け継がれることを願いたいものです。