Story
モロッコの世界遺産都市マラケシュからアトラス山脈を越え、やがてサハラ砂漠に至ろうかという小川のほとり、その丘の斜面に侵入者を拒むかのように佇む日干しレンガの要塞村が現れます。ここが数多くの映画のロケ地になった世界遺産の集落、アイット・ベン・ハドゥです。
この地はマラケシュとサハラ砂漠入口の町ワルザザートを結ぶ交通の要衝にあり、隊商都市として栄えたオアシス。アイット・ベン・ハドゥの集落は、17世紀に先住民のベルベル人によって築かれました。部族間の争いや盗賊の略奪などから守るため、四方に銃眼のある塔を備えた、カスバと呼ばれる堅固な建物を密集させて城壁とし、村全体が要塞になっています。しかも城門は1か所しかなく、たとえ敵が侵入したとしても、通路は狭く複雑に入り組んでいて、容易に攻略されることはありません。さらに丘の頂には食糧貯蔵庫が建てられ、籠城戦への備えも考えられています。この要塞村では今も、砂漠地帯の過酷な自然と敵襲に耐え生き抜いてきた人々の末裔が数家族、電気や水道のない昔ながらの生活を続けています。
古代の建築技法を伝える貴重な文化遺産であるとして1987年、世界遺産に登録されたアイット・ベン・ハドゥ。その迷路のような集落の中をさまよい歩き、眼下に360度の雄大な景観が広がる丘の頂に立てば、まるで映画のワンシーンに迷い込んだ心地がします。
この地はマラケシュとサハラ砂漠入口の町ワルザザートを結ぶ交通の要衝にあり、隊商都市として栄えたオアシス。アイット・ベン・ハドゥの集落は、17世紀に先住民のベルベル人によって築かれました。部族間の争いや盗賊の略奪などから守るため、四方に銃眼のある塔を備えた、カスバと呼ばれる堅固な建物を密集させて城壁とし、村全体が要塞になっています。しかも城門は1か所しかなく、たとえ敵が侵入したとしても、通路は狭く複雑に入り組んでいて、容易に攻略されることはありません。さらに丘の頂には食糧貯蔵庫が建てられ、籠城戦への備えも考えられています。この要塞村では今も、砂漠地帯の過酷な自然と敵襲に耐え生き抜いてきた人々の末裔が数家族、電気や水道のない昔ながらの生活を続けています。
古代の建築技法を伝える貴重な文化遺産であるとして1987年、世界遺産に登録されたアイット・ベン・ハドゥ。その迷路のような集落の中をさまよい歩き、眼下に360度の雄大な景観が広がる丘の頂に立てば、まるで映画のワンシーンに迷い込んだ心地がします。