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トンガリロ国立公園/ニュージーランド伝説の三火山が聳えるマオリ族が守り続けた聖地

トンガリロ国立公園

Story

ニュージーランド北島の中央部に位置するトンガリロ国立公園は、ルアペフ山(2797m)、ナウルホエ山(2291m)、トンガリロ山(1967m)の三火山が今も活発に活動を続け、噴火口や溶岩流跡など火山特有の荒涼とした風景が広がり、エメラルド色に輝く火口湖が点在。映画『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地にもなりました。氷河によって形成された地形と火山地形が見られる希有な地として1990年、自然遺産に登録。さらに先住民マオリ族の精神的支柱となっている聖地として1993年に文化遺産にも登録され、複合遺産になりました。

ニュージーランドでは、ワイタンギ条約が結ばれイギリスの植民地になった1840年頃から入植者が増加。トンガリロ一帯も放牧地として開拓されつつありました。マオリ族にとって土地は神々からお借りしたもの。とりわけ「トンガリロ三山」は神々が宿る聖地でした。ヨーロッパ人の侵略によって景観が破壊される事態を憂慮したマオリ族の首長が中心となり保護活動を展開。それが実り、トンガリロ一帯はイギリス政府の保護下に置かれ、1894年ニュージーランドで最初の国立公園に制定されました。

現在のトンガリロ国立公園には夏はトレッキング、冬はスキーとアクティビティが充実。特にナウルホエ山とトンガリロ山間を1日かけて縦走するトンガリロ・クロッシング(ハイキング)には、世界各地からハイカーが訪れます。しかし近年、入山者のマナー低下により一部が立入禁止になり、全域入山禁止の動きも。聖地を守り続けてきたマオリ族の思い、その世界観に敬意を払いこの地を訪れたいものです。

Photos

ルアペフ山

北島最高峰のルアペフ山。雪を抱いた山頂は神々しさが漂う

トンガリロクロッシング

ニュージーランドの自然美を満喫できるトンガリロ・クロッシング

Data

登録名
トンガリロ国立公園
登録年
1990,1993年
分類
複合遺産
国名
ニュージーランド
住所
Manawatu-Wanganui 4691 ニュージーランド
アクセス
オークランドからトンガリロ国立公園まで列車で約5時間20分
ベストシーズン
10月〜5月頃