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ブリッゲン/ノルウェーハンザ商人が建てた機能的な木造倉庫群

ブリッゲン

Story

ノルウェーきっての港湾都市ベルゲンはフィヨルドに抱かれ、天然の要害に築かれたかつての首都。暖流の影響を受けた不凍港であるベルゲンは、北ヨーロッパ最大の港町として栄えますが、やがてドイツ商人が交易の実権を握るようになり、14世紀にはハンザ同盟に加盟。そのベルゲンの中心に位置するブリッゲン地区はドイツ人居留地となり、ハンザ同盟の4大拠点のひとつとして隆盛を極めます。

港に面して隙間なく建ち並ぶ切妻屋根のカラフルな木造倉庫群は、ハンザ商人がノルウェーの豊富な木材を利用して建てた商館。間口が狭く奥行の深い造りで、港に近い建物から倉庫、事務所、住居と続きます。ハンザ商人は保存食として貴重だった北ノルウェー産「干しダラ」の輸出を独占することで繁栄しました。買い付けた干しダラを台車に載せて運びやすいよう、家と家の間の細い路地の床は板張り。また干しダラが雨に濡れないよう庇を張り出させ、2階や3階の倉庫へ滑車を使って運び上げていました。絵本に登場するようなかわいい外観からは想像できない、実に機能的な造りになっているのです。

15世紀に繁栄の極にあったハンザ商人も16世紀末には衰え、ブリッゲンのハンザ商館は1754年ノルウェーに引き渡されることに。サーモンなどの魚介に交じり名産の干しダラが並ぶ港の奥の魚市場を覗けば、地元市民や観光客で活気にあふれ、かつて干しダラの商取引で賑わっていたハンザ都市時代のブリッゲンが目に浮かぶようです。

Photos

フロイエン山

ベルゲンの港を見渡せるフロイエン山は絶好のポイント

ベルゲン

お互いがとなり合うように密接して建つカラフルな倉庫群

Data

登録名
ブリッゲン
登録年
1979年
分類
文化遺産
国名
ノルウェー
アクセス
首都オスロからベルゲンまで飛行機で約50分。コペンハーゲンからは約1時間30分