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ドロットニングホルム/スウェーデン歴代の王妃に愛された「北欧のヴェルサイユ」

ドロットニングホルム

Story

スウェーデン王室の居城であるドロットニングホルム宮殿は、ストックホルムからフェリーで約50分。白鳥が遊ぶメーラレン湖のローベン島にあり、広大な庭園に抱かれて建つクリーム色の宮殿は、その優美さから「北欧のヴェルサイユ」とも呼ばれています。18世紀の姿がほとんどそのまま残されており、1991年に「ドロットニングホルムの王領地」として王宮、宮廷劇場、中国離宮、庭園が世界遺産に登録され、王家の住まいを除く一部が一般公開されています。

ドロットニングホルム(スウェーデン語で王妃の小島)の名のとおり、宮殿は歴代の王妃に愛されてきました。16世紀に国王ヨハン3世が王妃のために建てた夏の離宮に始まり、その後、フランス・バロック様式の宮殿と庭園が造られます。さらに、ロヴィーサ王妃が主になった18世紀には、内装をロココ様式に改装するなど増改築され、現在に見られる著名な作家の絵画や彫刻で飾られた220室、3階建ての華麗な宮殿が完成したのです。また当時ヨーロッパで流行していた、中国趣味を装飾に取り入れ建てられた中国離宮も王妃を喜ばせました。

ロヴィーサ王妃は芸術文化にも造詣が深く宮廷劇場を建築。自ら戯曲や詩を書いた息子のグスタフ3世もこの宮殿を愛し、連夜オペラの上演や舞踏会が催され、文化は爛熟期を迎えます。今もそのまま残る宮廷劇場で、毎年夏に当時の舞台装置を使い上演されるオペラを観劇すれば、王妃たちの芸術への熱い思いが甦えるようです。

Photos

ドロットニングホルム宮殿

庭園の中央に建つブロンズ像と噴水。水は豊かさを称えているよう

ドロットニングホルム宮殿 寝室

濃いブルーを基調としたLovisa Ulrika女王の寝室

Data

登録名
ドロットニングホルムの王領地
登録年
1991年
分類
文化遺産
国名
スウェーデン
アクセス
ブロマプラン駅を下車し徒歩約40分、市庁舎手前の船着場からフェリーでドロットニングホルム宮殿前まで約50分