Story
“生きるか、死ぬか。それが問題だ”英国の偉大なる劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564〜1616)が著した四大悲劇の中でも、特に傑作の誉れ高い『ハムレット』の中の名台詞です。原書を読んだことも、舞台を見たこともなくとも、この台詞を知らない人はおそらくいないでしょう。コペンハーゲンから北へ約44km、対岸にスウェーデンを望むエアスン海峡に面したヘルシオアにあるクロンボー城こそが、この戯曲の舞台。
元々は海峡通行税を徴収する目的で建造された砦でしたが、1585年にフレデリク2世によって再建され、その後幾度となく戦争や火災に見舞われ姿を変えました。菱形の城館の一角は灯台となっていて、バルト海の要塞だった過去は堅牢な城壁と壕、海に向かって並ぶ砲台からもうかがえます。煉瓦造りの重厚で風格ある風貌は北欧ルネサンス様式の傑作。北棟は王の住居、西棟は王妃の住居、東棟は王族の部屋と厨房、南棟は教会になっており、室内には18〜19世紀の家具や調度品、オランダのアントワープで織られた見事なタペストリーなどが飾られています。王の間と王妃の間の天井画、北欧一の大ホール騎士の間の絵画コレクションも必見。地下牢には、眠れる英雄ホルガー・ダンスクの像があり、国家が存亡の危機にさらされた時に目覚めるという伝説の巨人です。
18世紀には、悲恋のデンマーク王妃マチルダがここで幽閉生活を送ったという逸話もあり、王家の陰謀が渦巻く世界であったとしても不思議ではない不気味さが漂っています。城の真ん中にある広い中庭では、毎年夏にシェイクスピアの野外劇が上演されています。
元々は海峡通行税を徴収する目的で建造された砦でしたが、1585年にフレデリク2世によって再建され、その後幾度となく戦争や火災に見舞われ姿を変えました。菱形の城館の一角は灯台となっていて、バルト海の要塞だった過去は堅牢な城壁と壕、海に向かって並ぶ砲台からもうかがえます。煉瓦造りの重厚で風格ある風貌は北欧ルネサンス様式の傑作。北棟は王の住居、西棟は王妃の住居、東棟は王族の部屋と厨房、南棟は教会になっており、室内には18〜19世紀の家具や調度品、オランダのアントワープで織られた見事なタペストリーなどが飾られています。王の間と王妃の間の天井画、北欧一の大ホール騎士の間の絵画コレクションも必見。地下牢には、眠れる英雄ホルガー・ダンスクの像があり、国家が存亡の危機にさらされた時に目覚めるという伝説の巨人です。
18世紀には、悲恋のデンマーク王妃マチルダがここで幽閉生活を送ったという逸話もあり、王家の陰謀が渦巻く世界であったとしても不思議ではない不気味さが漂っています。城の真ん中にある広い中庭では、毎年夏にシェイクスピアの野外劇が上演されています。