Story
キジ島はサンクト・ペテルブルクの北東約350kmのオネガ湖に浮かぶ長さ7km、幅500mほどの小さな島。1990年に世界遺産に登録された木造教会建築群で知られ、このほかロシア各地から木造の農家、風車などが移築され、島全体が特別保存地域に指定されています。
先住民の神聖な儀式の場であったキジ島に、ロシア人の入植が始まったのは12世紀頃。16世紀にはロシア正教の教会が建てられ、1714年に再建されたのが、今にその姿を伝える「プレオブラジェンスカヤ教会」です。木造加工に巧みなキジ島の職人が建てた高さ約37mの木造教会には釘が1本も使われておらず、数万枚のヤマナラシ(ポプラ)の木片を鋸歯状に組み合わせた、玉葱型の22の丸屋根が見事な造形美を見せています。銀色に輝く木肌は雨風と太陽、そして時の経過のなせる業。内部はイコン(聖画像)が飾られ厳かな雰囲気ですが、暖房設備がありません。そこで1764年に、冬に暖がとれるペチカ(暖炉)を備えた「ポクロフスカヤ教会」が建てられました。先の教会と同じ玉葱型の9つの丸屋根を頂き、その間に建てられた木造の「鐘楼」と合わせ、3つの建物が絶妙な調和を保っています。これらの建物の南側に建つ大天使ミカエル聖堂には大小異なる鐘があり、ときおり美しい音色を響かせます。
近年これら木造の建築群は老朽化が進み、修復が急務となっています。しかし設計図はなく、鋸とノミとキリだけで建てられた構造もフォルムも特異な建築だけに、現代の建築技術をもってしても再現はむずかしく、当時の職人の技術の高さが再認識されています。
先住民の神聖な儀式の場であったキジ島に、ロシア人の入植が始まったのは12世紀頃。16世紀にはロシア正教の教会が建てられ、1714年に再建されたのが、今にその姿を伝える「プレオブラジェンスカヤ教会」です。木造加工に巧みなキジ島の職人が建てた高さ約37mの木造教会には釘が1本も使われておらず、数万枚のヤマナラシ(ポプラ)の木片を鋸歯状に組み合わせた、玉葱型の22の丸屋根が見事な造形美を見せています。銀色に輝く木肌は雨風と太陽、そして時の経過のなせる業。内部はイコン(聖画像)が飾られ厳かな雰囲気ですが、暖房設備がありません。そこで1764年に、冬に暖がとれるペチカ(暖炉)を備えた「ポクロフスカヤ教会」が建てられました。先の教会と同じ玉葱型の9つの丸屋根を頂き、その間に建てられた木造の「鐘楼」と合わせ、3つの建物が絶妙な調和を保っています。これらの建物の南側に建つ大天使ミカエル聖堂には大小異なる鐘があり、ときおり美しい音色を響かせます。
近年これら木造の建築群は老朽化が進み、修復が急務となっています。しかし設計図はなく、鋸とノミとキリだけで建てられた構造もフォルムも特異な建築だけに、現代の建築技術をもってしても再現はむずかしく、当時の職人の技術の高さが再認識されています。