Story
モスクワの北東に、ロシア中世の面影を留め点在する「黄金の環」と呼ばれる都市群。そのひとつセルギエフ・ポサドには、聖人セルギーにより創設されたロシア正教最大の聖地トロイツェ・セルギー大修道院があり、壮麗な教会建築群が世界遺産に登録されています。
セルギエフ・ポサドが拓かれていなかった14世紀、敬虔な貴族の家系に生まれたセルギーは、修道士として生きる道を選び、より神に近付けるよう深い森に分け入り、庵と小さな聖堂を建てました。これがトロイツェ・セルギー大修道院の起源です。トロイツェ(三位一体)の神と対話しながら信仰の日々を送る、その清廉な彼を慕い弟子たちや人々が集まり、やがて大きな修道院になっていきました。そして、セルギーが没するとロシア正教会から聖人に列せられ、15世紀に建立されたトロイツキー大聖堂に、セルギーの遺体は不朽体として安置されました。16世紀にはイワン4世(雷帝)の命により、大修道院の中心をなす玉葱形の円蓋を持つウスペンスキー大聖堂が建設されるなど、比類のない建築群が築かれていったのです。
ロシアの人々の約7割が信仰するロシア正教は、ロシア人の精神的なよりどころとなっています。今も多くの信者がトロイツキー大聖堂の不朽体が納められた棺に長い列を作り、口づけをして祈ります。トロイツェの神に捧げた聖人セルギーの信仰心は、ロシア革命後の迫害を乗り越え、絶えることなく人々に受け継がれています。
セルギエフ・ポサドが拓かれていなかった14世紀、敬虔な貴族の家系に生まれたセルギーは、修道士として生きる道を選び、より神に近付けるよう深い森に分け入り、庵と小さな聖堂を建てました。これがトロイツェ・セルギー大修道院の起源です。トロイツェ(三位一体)の神と対話しながら信仰の日々を送る、その清廉な彼を慕い弟子たちや人々が集まり、やがて大きな修道院になっていきました。そして、セルギーが没するとロシア正教会から聖人に列せられ、15世紀に建立されたトロイツキー大聖堂に、セルギーの遺体は不朽体として安置されました。16世紀にはイワン4世(雷帝)の命により、大修道院の中心をなす玉葱形の円蓋を持つウスペンスキー大聖堂が建設されるなど、比類のない建築群が築かれていったのです。
ロシアの人々の約7割が信仰するロシア正教は、ロシア人の精神的なよりどころとなっています。今も多くの信者がトロイツキー大聖堂の不朽体が納められた棺に長い列を作り、口づけをして祈ります。トロイツェの神に捧げた聖人セルギーの信仰心は、ロシア革命後の迫害を乗り越え、絶えることなく人々に受け継がれています。