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ハットゥシャ:ヒッタイトの首都/トルコ古代史にその名を遺すヒッタイト王国の都城跡

ハットゥシャ:ヒッタイトの首都

Story

初めて鉄器を使ったとされる騎馬民族のヒッタイト人、彼らは紀元前1800年頃、現在のトルコ中央部に国を建てました。鉄製の武器と軽戦車を自在に操り、紀元前1600年頃にはバビロニア王国を滅亡に追い込み、強国エジプトまで脅かすに至ります。1986年に世界遺産に登録されたハットゥシャは、今はもうほぼ礎石であり復元は一部ですが、アンカラの東約150km、標高1,000mの高原に全長6kmの城壁に囲まれた遺跡群が広がっています。

城内に入ると、まず大神殿の遺構が目に入ります。天候神テシュプと配偶神ヘパトに捧げられた神殿で、ハットゥシャ最大の遺跡です。かつては日干しレンガで造られた壮大な建物があったといわれ、今に残る礎石からも容易にそれは窺えます。二手に分かれた道を右にとり上っていくと、城門のひとつ「ライオンの門」があります。門柱に刻まれた一対のライオン像は、当時魔除けだったのでしょうか、城外に睨みをきかせています。ハットゥシャを一望する遺跡の最高所には「スフィンクスの門」があり、その下に「大地門」と呼ばれる地下道が口を開け、今にも突撃していく兵士たちの雄叫びが聞こえそうです。

城内の「大城塞」から発見された粘土板文書は、「カデシュの戦い」でエジプトのラムセス2世と締結した平和条約です。この世界最古といわれる国際条約に名を留めるヒッタイト王国も、紀元前1200年頃には突然、歴史の舞台から姿を消してしまいます。謎多き大国の都城跡に佇めば、古代へのロマンがかきたてられることでしょう。

Photos

ハットゥシャシュ遺跡 ライオン門

ヒッタイト王国の首都ハットゥシャシュ遺跡への入口、ライオンの門

12人の神々

ヒッタイト王国の聖地ヤズルカヤ。そこには12人の神々が描かれています

Data

登録名
ハットゥシャ:ヒッタイトの首都
登録年
1986年
分類
文化遺産
国名
トルコ
アクセス
アンカラからスングルル経由でボアズカレまで車で約3時間